この記事ではAbleton Live上のKOMPLETE KONTROLから、別のMIDIトラックにMIDIを送信する方法をご案内します。これはKOMPLETE KONTROLのスマートプレイ機能(スケールやアルペジエータ)を使用して、Ableton Live上にロードされたサードパーティ製プラグインや外部ハードウェアデバイスをコントロールしたい場合に便利です。次のセクションでは、これら両方のケースの使用方法に関する詳細をご説明します。
KOMPLETE KONTROLから別のMIDIトラックへMIDIを送信する
- MIDIトラックにKOMPLETE KONTROLをロードします:
Ableton Live 10ユーザー: LiveのPlug-insブラウザから、KOMPLETE KONTROL VSTプラグインを空のMIDIトラックにドラッグします:
Ableton Live 9ユーザー:AbletonのInstrumentsブラウザから「Komplete Kontrol VST.adg」をドラッグしてKOMPLETE KONTROL Instrument RackのVSTバージョンをロードします。 AUプラグインフォーマットはMIDI出力をサポートしていないため、KOMPLETE KONTROLのVSTバージョンをロードする必要があります。注意:ブラウザのInstrument > Instrument RackにKOMPLETE KONTROLがない場合、KOMPLETE KONTROLのためのAbleton Live設定についてこちらの記事をご参照ください。
- メニューバーからMIDIトラックを挿入を選択するか、キーボードのShift + Cmd + Tを押して、新規MIDIトラックを作成します。このトラックがKOMPLETE KONTROLから送信されるMIDIノートを受信します。
- ミキサーのInput / Outputセクションが表示されているかご確認ください。Input / Outputセクションの表示・非表示は、メニューバーの表示から入力/出力を選択する事で切り替えられます。MIDIトラックのIn / Outセクションには、MIDI fromの下部にInput TypeとInput Channelの二項目があります。デフォルトでこれらはAll InsとAll Channelsにそれぞれ設定されています。
- Input Typeのドロップダウンメニューから1-Komplete Kontrol VSTを選択します。
注意:ここに表示される数字の1は、Ableton LiveにロードされているKOMPLETE KONTROLのトラック番号を示しています。
- Input ChannelのドロップダウンメニューからKomplete Kontrol VST | Komplete Kontrol | Komplete Kontrolを選択します。
- KOMPLETE KONTROLからのMIDIを受信するMIDIトラックのIn / Outセクションで、MonitorをInに設定します。これによりMIDIトラックがKOMPLETE KONTROLから送信されるMIDIデータに反応します。MonitorがAutoに設定されている場合は、MIDIトラックが録音可能時に受信されるMIDIに反応します。(例:アームボタンが有効な場合)
これでMIDIトラックがKOMPLETE KONTROLからのMIDIに反応するよう設定されました。
KOMPLETE KONTROLのMIDI出力を別のMIDIトラックに録音する
以降の説明は、前述の手順で既にMIDIトラックが設定されていることを想定しています。MIDIトラックにMIDIイベントを録音する場合に次の2つのシナリオが考えられます:
- MIDIクリップを再生し、KOMPLETE KONTROLのMIDI出力を別のMIDIトラックに録音する。
- KOMPLETE KONTROL S-シリーズキーボードを生演奏し、MIDI出力を別のMIDIトラックに録音する。
MIDIクリップを再生し、KOMPLETE KONTROLのMIDI出力を録音する
この設定はKOMPLETE KONTROLから出力されるMIDIによって生成されるMIDIイベントを正確に打ち込む場合に便利です。
- あらかじめMIDIクリップを用意しておきます。(MIDIキーボードで入力、MIDIクリップにMIDIイベントを直接入力、既存のMIDIクリップを使用など、どのような方法でもかまいません)この後、この素材にアルペジエーターを適用したり、スケール機能によって単音を和音に変化させていくことができます。
- KOMPLETE KONTROLがロードされているトラックのMonitorをOffに設定します。この設定では、KOMPLETE KONTROLはそのトラックにあるMIDIクリップは再生しますが、外部ソースから入ってくるMIDIには反応しません。
- KOMPLETE KONTROLのトラックの空のスロットにあらかじめ用意しておいたMIDIクリップをロードし、再生を開始します。
- KOMPLETE KONTROL S-シリーズキーボードのボタン、または、KOMPLETE KONTROLプラグイン画面より、適用したいスマートプレイ機能(Arp, Scaleなど)をお好みで設定してください。
- MIDIトラックのMonitorをAutoにし、トラックをアームします。
- Ableton Liveの再生を開始し、MIDIトラックの空のクリップスロットの録音ボタンをクリックします。これでKOMPLETE KONTROLのMIDI出力が録音されます。
KOMPLETE KONTROL S-シリーズキーボードを生演奏し、MIDI出力を録音する
ライブジャム演奏を録音し、MIDIクリップで編集したい場合に便利な設定です。これは新しい音楽のアイディアを見つけるために役立ちます。
- KOMPLETE KONTROL S-シリーズキーボードやKOMPLETE KONTROLプラグインで、適用したいスマートプレイ機能(Arp, Scaleなど)をお好みに設定します。
- KOMPLETE KONTROLがロードされているトラックのMonitorをInに設定します。この設定では、KOMPLETE KONTROLはキーボードを演奏した場合、常に反応します。
- MIDIトラックのMonitorをAutoにし、トラックをアームします。
- MIDIトラックの空のスロットで録音ボタンをクリックし、録音を開始します。
- キーボードを演奏すると、スマートプレイ機能(Arp/Chord/Scale)によって生成されたノートが直接MIDIトラックのMIDIクリップに録音されていきます。
サードパーティ製プラグインにMIDIを送信する
KOMPLETE KONTROLから送信されるMIDIでサードパーティ製プラグインをコントロールしたい場合は、先ほど作成したMIDIトラックにプラグインブラウザからプラグインをドラッグしてロードするだけです。この場合、Output Typeの項目がMIDI Toではなく、Audio Toと表示されます。デフォルトでオーディオ出力はAbleton LiveのMaster出力に送られます。
外部MIDI機器にMIDIを送信する
外部MIDI機器をコントロールしたい場合は、適切なMIDIポートとチャンネルを設定する必要があります。下記の例では、KOMPLETE KONTROL S49キーボードのMIDIポートを通じてMIDIを送信する設定をしています。
- Output TypeのドロップダウンメニューからKOMPLETE KONTROL S49 (Port2)を選択します。
注意:Output Typeの項目には、Abletonの環境設定 > MIDI Syncメニューで有効となっているポートしか表示されません。KOMPLETE KONTROL S49 (Port2)の項目がない場合、はじめに環境設定で有効にしてください。
- 最後のステップでは、どのMIDIチャンネルを使用するか設定します。下図の例では、外部機器がChannel 4を通じてMIDIを受信する設定となっているため、MIDI Ch. 4を選択しています。