この記事ではKontaktのラックにロードされた各インストゥルメントからのオーディオをLogicミキサーの個別のチャンネルに割り当てる方法をご案内します。そうすることでそれぞれのチャンネルはLogic内で個別にミックス処理することが可能となります。 この例ではマルチティンバー音源としてSession stringsを使用し、必要なステップを順に追ってご説明します:
- Logicでマルチティンバートラックを作成する
- Kontaktをロードしてマルチインストゥルメントとして設定する
- Kontaktの各マルチインストゥルメントにAUXトラックを作成する
- マルチインストゥルメント設定を使用する
Logicでマルチティンバートラックを作成する
- トラック上部にある新規トラック+ボタンをクリックして、新規トラックダイアログを開きます。
- 新規トラックダイアログでトラックの種類を選択します。ソフトウェア音源を選び、ソフトウェアインストゥルメントの詳細セクションで、マルチティンバーのチェックボックスにチェックを入れます。ボックスの隣では、Kontaktで使用したいアウトプットの数を入力します。この例では4つのステレオ出力が必要なため、4パートと設定しています。設定後に作成をクリックして続けます。
- Logicのメインウィンドウで4つの新規トラックが作成されました。各トラックには自動的にMIDIチャンネルが割り当てられます。トラックを選択することで各インストゥルメントトラックに割り当てられたMIDIチャンネルが確認できます。トラック情報エリアでMIDIチャンネルが視認できます。Kontaktにロードされた異なるインストゥルメントを異なるMIDIチャンネルでコントロールすることが目的であるため、ここが重要なポイントです。
Kontaktをロードしてマルチインストゥルメントとして設定する
- ソフトウェアインストゥルメントトラックのチャンネルストリップでInstrumentスロットをクリックし、Kontaktのマルチ出力を選択します。ここでは使用したい出力構成の種類を選択できます。この例ではそれほど多くの出力は必要ではありませんが、16のステレオアウトであるマルチ出力(16xステレオ)を選択しています。
注意:Logic Pro XでNIプラグインをロードする際の詳細な情報に関してはこちらの記事をご参照ください。
- Kontaktプラグイン内で、個別に出力を割り当てたいインストゥルメントをラックにロードします。これを行うにはKontaktブラウザで音源をダブルクリックするか、ラックにドラッグします。下図のスクリーンショットではSession Stringsライブラリから4つのインストゥルメントをロードしています。MIDIチャンネルが上から順に、ラック内にロードされた各インストゥルメントに割り当てられています。一つ目のインストゥルメントはチャンネル1からのMIDIを受信し、2つ目はチャンネル2からのMIDIを受信します。この時点では、すべてのインストゥルメンツがKontaktの一つ目のステレオ出力であるst.1に割り当てられています。
- インストゥルメントラック下部にKontaktのOutputセクションが表示されていない場合は、Kontakt上部にあるWorkspaceメニューのOutputsにチェックを入れてください:
- Outputセクションが表示され、デフォルトで設定されます。先ほどラック内にロードした各インストゥルメントに個別のミキサーチャンネルを割り当てるには、Presets / Batch Configurationドロップダウンメニューをクリックし、Batch functions > Clear output section and create one individual channel for each loaded instrumentを選択します:
- KontaktのOutputセクションにラック内にロードされたインストゥルメントの名称で、4つの出力チャンネルが追加されました。各チャンネルストリップの下部では、KontaktがLogicにオーディオを送信する際に使用する出力チャンネルが確認できます。
Kontaktの各マルチインストゥルメントにAUXトラックを作成する
- Logic Pro Xのメニューバーから表示 > ミキサーを表示を選択します。
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Kontaktのインストゥルメントトラック下部にある+アイコンをクリックします。クリックするごとにLogic Auxトラックが追加されますので、Kontaktのインストゥルメントラックにロードした数のトラックを追加します。各Auxトラックのインプットは自動的に異なるKontaktの出力チャンネルに割り当てられます。
- ミキサーの設定が完了しました。Inst 1はKontaktのラック内にロードされた一つ目のインストゥルメントに該当するKontaktのメイン出力を再生します。Aux 1はKontaktのラック内にロードされた二つ目のインストゥルメントに該当する3-4 outputを再生します。
マルチインストゥルメント設定を使用する
マルチインストゥルメントをトリガーしてミキシングする
- Logicのメイン画面でMIDIイベントを描いたり、録音したりしてKontaktのラック内にロードされた個別のインストゥルメントをトリガーすることができます。これらの各トラックは、ラック内で割り当てられた異なるMIDIチャンネルで設定されています。ここではボリュームやパンの調整だけでなく、ミュートやソロの有効化などが、Kontakt全体に影響を与えます。
- Logicのミキサーを使用して、Kontaktにロードされた各インストゥルメントからのオーディオ入力を個別に処理することが可能です。ここではボリュームやパンを使用してオーディオをミックスしたり、各Auxトラックにエフェクトを追加してKontaktのマルチインストゥルメンツからのオーディオ入力を個別に処理することが可能です。また、Auxトラックを個別にミュートやソロ再生させるにはメイン画面のミュートとソロボタンではなく、ミキサーを使用する必要があります。
AUXトラックでオートメーションを使用する
ミキサー内の個別のAuxトラックにオートメーションを使用したい場合は、オートメーショントラックを作成する必要があります。以下の手順に従ってください:
- オートメーションを使用したいAuxトラックをクリックして選択します。グレイに強調表示された状態のAuxトラックを右クリックして、コンテクストメニューからトラックを作成を選択します。
- Logicのメイン画面に、一つ目のAuxトラックであるAux 1の新規トラックが作成されました。該当するAuxトラックのオートメーションを描くためにこのトラックを使用します。このオートメーションは一つ目のAuxトラックであるAux 1のみに影響を与えます。下図のスクリーンショットでは、Kontaktのラック内にロードされた二つ目のインストゥルメントに該当する一つ目のAuxトラックのボリュームのオートメーションが描かれています。