この記事では、Windowsシステムでオーディオ再生中に生じるオーディオパフォーマンスの問題(音割れ、音飛び、ノイズ)を突き止め、解決するための重要な情報をご案内します。
注意:この記事のビデオ版もご覧いただけます。
免責事項
この記事ではNative Instrumentsと直接関係のないサードパーティ製のツールについて言及しています。弊社ではこれらのツールを十分に検証した上で情報を提供しておりますが、これらに相当するツールはご使用のコンピュータにダメージを与え、コンピュータ並びに接続されるハードウェアの保証を害する可能性を孕んでいます。コンピュータの使用におけるライセンス契約やその他の使用上の許諾に反していないか確認するには、コンピューターのメーカーあるいはサードパーティ製品の開発元に直接お問い合わせください。
はじめに
Windows PCは非常に多くのメーカーで製造されており、使用可能なハードウェアの組み合わせも無限にあるため、互換性の問題や望ましくない部品構成の相性問題に結びつく可能性があります。また、PCコンピュータの多くがオフィスアプリケーションやゲーム用途に最適なパフォーマンスを得られるよう設計されていますが、音楽制作用途のコンピュータに要求されるものは、オフィスやゲーム用のコンピュータのものとは通常全く異なります。その結果、既製または自作のコンピュータをリアルタイムのオーディオ処理に最適なパフォーマンスを得られるために設定する事が多くの場合必要になります。この記事では最も重要なオーディオ処理のためのWindows最適化の方法をご紹介します。これらの情報はシステムの全体的なパフォーマンスの向上についても及びます。音切れやノイズなどオーディオが正常に再生されない問題が生じている場合には、この記事を印刷してよく読み、提案されている事柄を一つずつお試し下さい。
準備設定
2.1. ASIOドライバー
まず、ご使用オーディオインターフェースの最新ドライバーをダウンロードし、インストールしてください。Native Instrumentsのオーディオインターフェースをご使用の場合は、こちらから最新ドライバーをご確認ください。ご使用のオーディオアプリケーションではオーディオインターフェースのドライバーとしてDirectSoundやWASAPIドライバーではなく、ASIOドライバーをご使用ください。ご使用のサウンドカード用のASIOドライバーが選択出来ない場合は、ほとんどのサウンドカードで利用可能な汎用ドライバーであるASIO4ALLをダウンロードし、インストールして下さい。最新のASIO4ALLは以下のウェブサイトからダウンロード可能です:
注意:内蔵サウンドカード用にASIO4ALLドライバーを設定する方法については、このビデオをご覧ください。
一般的にオーディオ・インターフェースは音楽制作やレコーディングのために、より良い音質、より良いパフォーマンスを得られるよう機器に最適化されたASIOドライバーと共に設計されているため、汎用的な「ASIO4ALL」よりも、プロフェッショナル・オーディオ機器が提供する独自のASIOドライバーの方がより良いパフォーマンスが得られます。Native InstrumentsではKOMPLETE AUDIO 6(楽曲制作用途)やTRAKTOR AUDIO 10(DJ用途)など、それぞれの目的に応じて設計された多数のプロフェッショナル用途のオーディオ・インターフェースを、ASIOドライバーと共に提供しています。
2.2. レイテンシー設定
コンピュータのメイン・プロセッサがグラフィック処理やハードディスクの読み書き、MIDIコントローラーなどの周辺機器とのデータのやりとり、それからもちろんオーディオ信号の処理など、異なるタスク間の処理を切り替えている間、オーディオ・データを一時的に蓄積するためにオーディオ・バッファを使用します。システムは同時にすべてのタスクを処理出来ないため、様々なプロセスからのデータを「バッファ」する必要があります。ここでオーディオバッファ(レイテンシー、プロセスバッファ、サンプルバッファとも呼ばれます)が効果を発揮します。通常、高速なコンピュータであればあるほど、短時間で処理が可能になるため、オーディオ・バッファを小さくする事が出来ます。
オーディオバッファサイズとその結果生じるレイテンシーは直接関係しているため、オーディオバッファは小さい方が望ましいのです。レイテンシーという用語はアクション(例:マイクに向かって唄う)とその結果得られる出力(例:スピーカーから聞こえる歌声)の間に生じる遅延を意味します。バッファサイズ、レイテンシーが大きいほど、アクションから出力結果までの遅延も大きくなってしまい、演奏やレコーディングの際の妨げとなってしまう事があります。
小さいバッファサイズ/レイテンシーを使用する欠点は、コンピュータへ負荷をかけてしまう事です。コンピュータに課せられた全てのタスクが、設定されたバッファサイズ内で処理できない場合、オーディオ出力の乱れや音割れなどのノイズが生じてしまいす。こうなった場合はオーディオ・バッファサイズを増やす事でコンピュータの性能に適した設定を行う必要があります。
ASIOレイテンシー設定(バッファサイズ)を512から始めてオーディオ再生を確認し、問題があればバッファサイズを一つずつ増加させ、再試行してください。ただし、最近のマルチコアCPUを備えたコンピュータでは低めのレイテンシー設定がより良い結果をもたらす場合があるため(例:512では問題が発生する場合でも、サイズを256に設定した場合は問題がない等)、少なくとも256と512、両方の設定をお試し下さい。
ご使用のオーディオインターフェースのレンテンシー設定については、オーディオインターフェースのマニュアルも併せてご参照ください。
コンピュータ性能の解析
オーディオパフォーマンスの妨げとなる根本原因を識別するのは時々困難なものですが、コンピュータ上で動作しているプロセスがオーディオパフォーマンスに悪影響を与えているか、システムにどの程度影響しているかをテストする事が可能です。
3.1. システムパフォーマンステスト(NIオーディオインターフェースのみ)
Native Instrumentsオーディオインターフェースに含まれるドライバーソフトウェア(コントロールパネル)には、システム上にオーディオパフォーマンスの問題が生じているかテストする機能が備わっています。場合によってはNIオーディオインターフェースのコントロールパネルで設定を調整するだけでオーディオパフォーマンスの問題を完全に解決する事も可能です。
- ご使用インターフェースの最新ドライバーとファームウェアがインストールされている事をご確認ください。最新ドライバーとファームウェアはこちらからダウンロード可能です。
- オーディオインターフェースが接続され、すべてのアプリケーションが終了している事をご確認ください。
- オーディオインターフェースのコントロールパネルを以下の場所から起動してください:
C: > Program Files > Native Instruments > *装置名Driver* > *装置名.exe* - Diagnosticsタブに切り替えます。
- System Performance TestのStartボタンをクリックして、システムパフォーマンスのテストを実行します。
System Performance Testはシステムの現在と最大のレイテンシーを計測して結果を表示します。レイテンシー値(msもしくはμs)の色が示すように、1000μs(1ms)以上の数値はオーディオパフォーマンスの問題に結びつく可能性がある一方、500μs(0.5 ms)未満の数値では問題なくリアルタイムオーディオ処理出来る事を表しています。 下図のPerformance Testは、オーディオの問題が検知されなかった事を示すものです。計測されたレイテンシーの最大値は189μsであるため、明らかに500μs未満です。これはシステムがいかなるオーディオパフォーマンスの問題も示していない事を意味します。System Performance Testを終了するにはStopをクリックします。
下図のPerformance Testは、オーディオの問題が検知された事を示すものです。計測されたレイテンシーの最大値は16110μsであるため、明らかに1000μsを超えており、Performance Testがシステム上でパフォーマンスの問題が発生している事を示しています。System Performance Testを終了するにはStopをクリックします。
System Performance Testでオーディオパフォーマンスの問題が検知された場合は、Audio Settingsタブに切り替え、Audio Processingで以下の設定をご確認ください:
- Sample Rate: 44100Hzに設定されている事をご確認ください。48000に増加させる事も出来ますが、システムがリアルタイムオーディオ処理に最適化されていない限り、高めの数値で設定する事はお勧め出来ません。
- Process Buffer: はじめは512サンプルに設定してください。この数値でオーディオにノイズが生じない場合は256サンプルに下げてみてください。
- USB Buffer: System Performance Test(上記参照)によって測定された最大レイテンシー値との関係で値を設定します。例えば計測された最大のレイテンシーが1500μsだった場合、USB Bufferを2msに設定してください。 上記の例では最大レイテンシー値が16msであったため、USB Bufferの最高値(4ms)を設定したとしても十分でありません。つまりこのレイテンシー問題はコントロールパネル内で直接解決出来る問題ではない事を示しています。
コントロールパネル内で値を調整してもオーディオパフォーマンスの問題が改善されない場合、次のセクションで説明するように、システムレベルで問題の要因を特定する必要があります。
3.2. LatencyMon
LatencyMonを使用して、どのデバイス、ドライバー、サービスがレイテンシー問題の要因となっているか特定する事が可能です。
- こちらからResplendence社ソフトウェアのダウンロードページを開きます。
- System Monitoring ToolsセクションからLatencyMonの最新バージョンをダウンロードし、インストールしてください。
- LetencyMonを起動します。デフォルトでは以下の場所にあります:
C: > Program Files > LatencyMon > "LatMon.exe". - レイテンシーの問題が発生しているオーディオアプリケーションを起動します。外部オーディオインターフェースとの併用でオーディオの問題が生じている場合は、インターフェースが接続され、アプリケーション内でオーディオ装置として設定されている事をご確認ください。
- アプリケーションでオーディオ再生を開始します。ループを設定するなどして再生を続けてください。
- アプリケーションでオーディオを再生しながら、LatencyMonで緑色の再生ボタンをクリックしてテストを開始します。
LatencyMonで有益な解析結果を得るには、オーディオアプリケーションを再生させながら最低でも4分間は解析を実行する必要があります。これはオーディオの問題が発生するために必要な時間になります。その後再生ボタンの隣にある停止ボタンをクリックしてテストを終了してください。
テスト終了後、Mainタブには以下のいずれかのメッセージが表示されます:
'Your system appears to be suitable for handling real-time audio and other tasks without dropouts.'(緑文字)
もしくは
'Your system appears to be having trouble handling real-time audio and other tasks. You are likely to experience buffer underruns appearing as drop outs, clicks and pops...'(赤文字)
前者の場合は、ご使用のシステムでレイテンシーの問題が発生していない事を示しています。LatencyMonのテスト結果が問題ないにも関わらず、依然としてパフォーマンスに問題が生じている場合は以下の項目をご確認ください:
- オーディオインターフェースのコントロールパネルで設定を確認する(レイテンシー、サンプルレートなど)
- オーディオアプリケーションを起動中に他のアプリケーションやサービスが実行されていない事を確認する
- オーディオインターフェースのドライバやファームウェアを最新バージョンにアップデートする
- ご使用のシステムコンポーネントが弊社製品のシステム要件を満たしているか確認する
- CPUのSpeed-Steppingがシステムパフォーマンスに影響を与えていないか確認する(3.2.2章をご参照ください)
後者の場合は、発生しているレイテンシーの問題をシステムレベルで改善する必要がある事を示しています。次のセクションでは、LatencyMonの解析結果から問題要因を特定する方法をご案内します。
3.2.1. 問題要因のドライバを特定する
LatencyMonのテスト終了後、Driversタブに切り替え、各システムドライバーのレイテンシー計測値を確認します。この値はHighest Execution (ms)カラムに表示されます。 下図の例ではすべての値が1ms以下であるため、問題のあるド ライバーはありません。
それに対し、下図の例ではレイテンシーの値が17,92msを示しています。この関連するドライバー(この例ではNVIDIA Windows Kernel Mode Driver)の値は明らかに1msを超えているため、レイテンシーの値を下げてオーディオパフォーマンスの問題を解決するには、ドライバー自体を無効化するか、アップデートや再設定などを行う必要があります。
各ドライバーのそれぞれのレイテンシーを合計する事で1ms以上のレイテンシーとなる場合がありますのでご注意ください。(例えば別々のドライバーで0.9と0.5の結果があった場合、合計で1.4msとなり、1.4msの結果を得たのと同じ問題を引き起こす可能性があります)
1ms以上の値を示すドライバーがあった場合、影響を及ぼすドライバーがどのデバイスに属するものなのかを確認し、可能であればコントロールパネルのデバイスマネージャで該当するデバイスを無効にして下さい。これについては4.1章で解説します。
デバイスを無効にしていいか確信が持てない場合は、ドライバーの名称かデバイスの名称(LatencyMonのDriversタブにあるDescription に表示)をウェブで検索して、該当デバイスを無効にして問題ないかご確認下さい。
LatencyMonのHighest Executionに高い数値を示すものとしてNative Instrumentsサポートに頻繁に報告されるドライバーのリストをご用意しました。このリストにはこれらのドライバーのレイテンシーを下げるヒントが記載されています。このページ下部のAttachmentセクションからPDF書類としてダウンロード可能です。
3.2.2. Speed-Stepping
システムドライバーのレイテンシー値が1ms以下であるにも関わらず、依然としてオーディオの問題が生じている場合は、LatencyMonのテスト終了後にStatsタブを開いてください。ここではReported CPU SpeedとMeasured CPU Speedの二つの数値(MHz)が確認出来ます。
Reported CPU Speedは理論上の計測値であり、いくつかの要因(熱、有効なコア数、プロセッサの仕様)によって影響を受けるため、Measured CPU Speedの方が低い数値であるのが通常です。 しかし、高いレイテンシーを示すドライバーがなく、Measured CPU Speedの数値がReported CPU Speedの数値と比べて著しく低い(さらにシステム要件の必要スペックよりもCPU速度が遅い)場合、オーディオパフォーマンスの問題要因はSpeed-Steppingである可能性が考えられます。
Speed-Stepping(AMDプロセッサではCool'n'Quietと呼ばれます)は、いくつかのインテル製CPUにおいて、消費電力やバッテリの寿命を延ばすためにCPU速度を動的に減少させるテクノロジーですが、このCPUクロックの減少はオーディオデータ処理の安定性に悪影響を与える場合があります。 Speed-Steppingを無効にするには、4.5.1章で解説しているように電源プランの設定を調整します。
注意:電源プランを調整後も問題が改善せず、その後のLatencyMonのテストでもMeasured CPU Speedの数値が増加しない場合、システムのBIOSで直接Speed-Steppingを無効にする必要があるかもしれません。また、TurboBoostなどのテクノロジーもCPUクロック速度の安定性を妨げている場合があります。BIOSの設定変更はご使用のシステムに潜在的なダメージを与えてしまう可能性もあるため、設定変更される前にパソコンの製造メーカーにお問い合わせいただく事をお勧めします。
システムの最適化
4.1. Windowsのデバイスマネージャでデバイスを無効にする
オーディオの問題の共通の原因は、オーディオ処理とは直接関係のないドライバーやバックグラウンドサービスです。 これらは規則的にCPUに負荷をかけ、オーディオ処理に必要なリソースを占有してしまいます。
LatencyMonではどのドライバーやコンポーネントがオーディオパフォーマンス問題の一因となっているかを確認出来るものですが、場合に依ってはLatencyMonに表示された問題要因のファイル名をインターネットで検索して、そのデバイスやドライバーがコンピュータとどういった関連があるのか確認する必要があります。
潜在的な問題要因のデバイスやドライバー名をメモした上で、Windowsデバイスマネージャを起動してください:
- Windows 7: デスクトップ上のコンピュータアイコンを右クリックして、プロパティ > デバイスマネージャを選択してください。
- Windows 8: マウスポインターをデスクトップの右下に移動させ、チャームバーから 検索 > 設定 を選択して「デバイスマネージャ」と入力し、左画面に表示されるデバイスマネージャのアイコンをクリックして開いてください。
- Windows 10: スタートメニューで「デバイスマネージャー」と入力し、表示されるデバイスマネージャーアイコンをクリックして開いてください。
Windowsの操作に必須のデバイスは無効にしないよう十分ご注意ください。下記のリストは決して無効にしてはいけないデバイスとなります:
- システムタイマー
- キーボード
- システムCMOS / リアルタイムクロック
- Microsoft ACPI-Compliant System
- 数値データプロセッサ
- プライマリIDEチャネル
- セカンダリIDEチャネル
- グラフィックコントローラ
- Ultra ATA Storage Controllers
一般的に、システムデバイス内の項目は無効にしてはいけないものとなります。
デバイスマネージャ上で、LatencyMonが報告した問題のデバイスを探してください。その項目がコンピュータの基本操作に必須のデバイス(上記参照)でなかった場合は、項目を右クリックして無効を選択してください。(アンインストールではありません!)問題のデバイスを無効にしたら、オーディオの問題が改善されたかテストを行ってください。
また、LatencyMonでは問題としてリストアップされなかったものでも、システムリソースを節約するために(もしくはリソースの節約が問題解決に有効かテストするために)無効にする事が可能な以下のデバイスもあります:
- ネットワークアダプター
- 無線LANカード
- Bluetoothポート
- 赤外線ポート
- ACPI compliant battery
- トラックパッド(マウスが接続されている場合のみ)
- ビデオカメラ
- DVDドライブ
- システムの一部に必須ではないサードパーティコンポーネント(Windowsの通常操作に影響を与えないと確認出来るもののみを無効にしてください)
- 内蔵サウンドカード(TRAKTOR AUDIO 6/10や、それ以外の外部USBオーディオインターフェースをご使用の場合のみ)
4.2. USBとFireWireデバイスの確認
どのデバイスもしくはドライバがオーディオの問題となっているか確認するために、お使いのオーディオインターフェース以外、コンピュータに接続されているすべてのUSBとFireWireデバイスを取り外して、問題が発生するかテストを行ってください。問題が生じない場合は、一つずつデバイスを接続して再度テストを行います。特定のデバイスを接続して現象が再現された場合は、そのデバイス用のドライバーやファームウェアのアップデートを確認するか、デバイスの製造メーカーにお問い合わせください。
バスパワーのUSBオーディオデバイスをご利用の場合は、USBポートからデバイスに必要な電力が得られていないかもしれません。同様に、複数のデバイスが内部の同じUSBルートハブに接続されている場合(例えば電源付きのUSBハブ経由等)、各デバイスの総需要は、共有で利用可能な消費量を上回っているかもしれません。すべてのデベイスを取り外して問題が改善された場合、一つずつデバイスを接続して、複数あるUSBポートを差し替えてテストを行い、より良く動作するポートがあるかご確認ください。
4.3. BIOSアップデート
BIOS とは「Basic Input Output System」の略で、マザーボードのチップ上で動作する起動プログラムです。BIOSはマザーボードの構成部品が相互に働くよう(ウインドウズが動作する前のハードウェア管理レベルで)コントロールしています。BIOSの更新は一般的にバグ修正を主として、マザーボードの構成部品のパフォーマンスを向上させます。新しいソフトウェアと同様に、BIOSの更新プログラムは通常、新製品が発売された直後にバグの修正やパフォーマンス改善のためにリリースされます。
メーカー製コンピュータ(例えばDellやHP/Compaqなど)をお使いなら、製造元のホームページでご使用のコンピュータで利用可能なBIOS更新プログラムがあるかご確認ください。インストール方法は通常ホームページに記されているか、ダウンロードしたファイルの中に添付されています。自作PCをご使用なら、ご使用マザーボードの製造元のウェブサイトをご確認ください。最良のパフォーマンスを得るためにBIOSアップデートは非常に重要です。
4.4. チップセット / コンポーネント・ドライバのアップデート
チップセットとはコンピュータのマザーボード上で重要なハードドライブやUSBオペレーションなどを扱うプロセッサー・チップ(主演算処理装置を除いて)の グループを意味します。チップセットのメーカーはインテル、AMD、Nvidiaなどが挙げられます。Windowsは通常1セットの汎用チップセット・ドライバを内蔵していますが、これらは可能な限り様々な機種との互換性を持たせる目的で設計されているため、チップセットのメーカーによって提供されるカスタマイズされたドライバの方がウィンドウズ内蔵の汎用ドライバより良いパフォーマンスを得られます。
メーカー製コンピュータ(例えばDellやHP、Lenovoなど)をお使いなら、製造元メーカーのウェブサイトで、ご使用のコンピュータで利用可能な最新チップセット・ドライバがあるかご確認ください。インストール方法は通常ホームページに記されているか、ダウンロードしたファイルの中に添付されています。自作PCをお使いなら、ご使用マザーボードの製造元ウェブサイトをご確認ください。
同様の事がコンピュータにインストールされた他のすべてのハードウェア・コンポーネントに当てはまります:ネットワークアダプタ、内蔵オーディオインターフェース、FireWireコントローラー、グラフィックドライバあるいはその他にインストールされているデバイスや周辺機器用に利用可能なドライバの最新版をすべてダウンロードしてインストールしてください。
メーカー製コンピュータについては、これらのドライバーもコンピューター・メーカーのウェブサイトで通常は見つけることができます。自作PCに関しては、各ハードウェア・コンポーネントのメーカーのウェブサイトで最新の利用可能なドライバーを確認する必要があるでしょう。
4.5. 電源オプション
最新のコンピュータ・システム、特にモバイル用デバイスは可能な限り消費エネルギーを節約する目的のため、巧みに設計されています。しかしながら、これは全体的なコンピュータのパフォーマンスを犠牲にし、オーディオの音飛びなどを発生させるものとなってしまいます。省エネ設定に関連する性能上の問題を解決するために、下記の設定をご確認ください。
4.5.1. 電源プラン設定
- Windowsコントロールパネルを開きます。
- Windows 7: スタートメニューからコントロールパネルを選択してください。
- Windows 8: マウスポインターをデスクトップの右下に移動させ、チャームバーから 設定 > コントロールパネル を選択してください。
- Windows 10: スタートメニューで「コントロールパネル」と入力し、検索結果からコントロールパネルをクリックして開いてください。
- コントロールパネルから システムとセキュリティ > 電源オプション を選択してください。
- 電源プランを高パフォーマンスに設定し(この設定が表示されない場合は、追加のプランを表示しますを最初にクリックしてください)、続いてプラン設定の変更をクリックしてください。
- 続いて表示されるページではディスプレイの電源を切るとコンピューターをスリープ状態にするを両方なしに設定します。
- 次に詳細な電源設定の変更をクリックし、電源オプションウインドウで下記の設定をご確認ください:
- ハードディスク > 次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る > 設定=なし
- スリープ > 次の時間が経過後スリープする > 設定=なし
- USB 設定 > USBのセレクティブサスペンドの設定 > 設定=無効
- ディスプレイ > 次の時間が経過後ディスプレイの電源を切る > 設定=なし
- プロセッサの電源管理 > 最小のプロセッサの状態 > 設定=100%
- プロセッサの電源管理 > 最大のプロセッサの状態 > 設定=100%
重要事項:多くのノートPCメーカーが、CPUや構成部品のエネルギー設定をコントロールする独自のアプリケーションを追加でインストールしているため、Windowsの電源オプションで設定した内容は効果を発揮しない場合があります。前述した電源オプションの最適化を有効にして問題解決の確認を行うためには、このようなアプリケーションは無効化してください。
4.5.2. USBポートの電源設定
- Windowsのデバイスマネージャを開きます。
- Windows 7: デスクトップ上のコンピュータアイコンを右クリックして プロパティ > デバイスマネージャ を選択してください。
- Windows 8: マウスポインターをデスクトップの右下に移動させ、チャームバーから 検索 > 設定 を選択して「デバイスマネージャ」と入力し、画面に表示されるデバイスマネージャのアイコンをクリックして開いてください。
- Windows 10: スタートメニューで「デバイスマネージャー」と入力し、検索結果からデバイスマネージャーをクリックして開いてください。
- ユニバーサルシリアルバスコントローラー内にあるUSB Root Hubをそれぞれ右クリックしてプロパティを選択します。
- 各USB Root Hubのプロパティウィンドウの電源の管理タブで、電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにするのチェックを外します。
4.6 グラフィックカードツール
Ati Power PlayやNvidia Powermizerのようないくつかのグラフィック・カード・ツールは、グラフィックカードのパフォーマンスを優先的に実行するため、リアルタイム・オーディオの妨げとなってしまいます。これらのツールは無効にするかアンインストールしてください。
いくつかのNvidia製グラフィック・チップを搭載したノートPCでは、デバイスマネージャでグラフィックドライバーを無効化するだけで、オーディオ再生の問題解決に至る事があるようです。デバイスマネージャでグラフィックドライバーを無効にした場合、Windows標準のビデオドライバーがシステムの再起動後に自動的に適用されます。グラフィックドライバーが問題の要因かどうかは、これが判別方法となるでしょう。
4.7. プロセッサのスケジュール
プロセッサのスケジュール設定では、プログラムの動作を優先させるか、バックグラウンドサービスの動作を優先させるかを選択できます。この設定において、プログラムは画面上に起動しているアプリケーションを指し、バックグラウンドサービスとは直接確認する事は出来ないものの、バックグラウンドで常に重要なシステムのタスクを処理しているソフトウェアを指します。バックグラウンドサービスの中で最も重要な例として挙げられるのは、 使用しているオーディオ・インターフェースのドライバーです。
多くの場合においてオーディオの音飛びやノイズの原因となってしまうのは、オーディオ・インターフェースのドライバーが時間内にすべてのデータを処理することが出来ないためです。そのためバックグランドサービス(と共にオーディオドライバー)の処理を優先させる事が、全体的なオーディオパフォーマンスの向上に繋がる事が多いようです。 バックグラウンドサービスの処理を優先させるには下記の設定を行なって下さい:
- システムの詳細設定を開きます。
- Windows 7: デスクトップ上のコンピュータアイコンを右クリックして プロパティ > システムの詳細設定 を選択してください。
- Windows 8: マウスポインターをデスクトップの右下に移動させ、チャームバーから 設定 > コントロールパネル を選択してシステムメニューを開き、システムの詳細設定をクリックします。
- Windows 10: エクスプローラー画面でコンピューターアイコンを右クリックして、プロパティ > システムの詳細設定を選択してください。
- 詳細設定タブを開き、パフォーマンスの設定ボタンをクリックします。
- パフォーマンスオプションでさらに詳細設定タブを開き、バックグラウンドサービスを選択します。
注意:いくつかのアプリケーションはプロセッサのスケジュールをプログラムに設定する事でより良く動作する場合があります。上記の設定後にオーディオパフォーマンスが悪化した場合は、プログラムに設定を変更してみて下さい。どちらの設定を使用しなければならないかについての詳細は、各ソフトウェアの取扱説明書をご参照ください。
4.8. ハードディスクオプション
下記で説明するハードディスクの設定は、オーディオファイルの録音や再生を行う際、より効率的に動作させる方法となります:
- オーディオファイルが保存されているハードディスクのプロパティを開きます。
- Windows 7: Startメニューからコンピュータを開きます。
- Windows 8: マウスポインターをデスクトップの右下に移動させ、チャームバーから検索を選択して「エクスプローラ」と入力し、表示されるエクスプローラのアイコンをクリックして開いてください。
- Windows 10: エクスプローラフォルダでコンピューターをクリックします。
- オーディオ用に使用するドライブを右クリックします。
- プロパティを選択します。
- このドライブを圧縮してディスク領域を空けると、このドライブ上のファイルに対し、プロパティだけでなくコンテンツにもインデックスを付けるの両方のチェックを外してください。
- 適用とOKをクリックしてください。