TRAKTORの基礎をなすオーディオエンジンはサウンドを着色しないため、基本的に楽曲ファイルの音質はまったく変化しません。この記事ではTRAKTORで音質に変化や問題が生じた場合に、考えられる理由と解決策を解説します。
パフォーマンスの問題
オーディオ信号にノイズや歪み、音飛びなどが生じる場合、ご使用システムのパフォーマンスに問題が生じている可能性が考えられます。詳細に関して、WindowsもしくはOS Xの最適化に関する記事をご参照ください。
EQ設定
TRAKTORは様々な種類のEQを備えています。EQのノブがゼロの位置に設定されている場合サウンドは変化しませんが、ノブの位置が変更(frequencyの増幅/カット)されるとEQモデルそれぞれの特性によって元の音質を着色します。EQの種類は、Preferences > Mixer > EQ/Filter Selectionで切り替え可能です。
注意:Z ISOのEQに関しては、中央の位置にあっても音声信号の位相に影響を与えますが、実際の使用時に聴覚できるものではありません。これはDJアプリケーションにおける完全カット型アイソレーターEQの特徴です。
設定された画面レイアウト上に表示されていなかったとしても、EQとフィルタセクションは常に有効です。これは外部ミキサーモードにおいても同じです。TRAKTORのメイン画面でEQとフィルターを表示するには、以下の手順に従ってください:
- Preferences > Mixer > Mixer LayoutのEQ + Fader 、Filter + Key + Gain + Cue + Balanceオプション両方にチェックを入れて下さい。
- TRAKTORのメイン画面右上にあるレイアウト選択フィールドで、Mixerレイアウトを選択するとソフトウェアミキサーが表示されます。
メイン画面でEQノブがゼロの位置に設定され、フィルタースイッチが青くなっていない事をご確認ください。
TRAKTOR PRO 3では、外部ミキシングする場合にEQをバイパスすることができます。Preferences > Mixer > External Mixing Modeで、Enable EQ + GAINオプションで有効/無効が切り替えられます。
Key Lock設定
Key Lockはトラックのテンポが変更されても音程を固定します。TRAKTORのミキサーエリアにあるKEYノブの隣にある円をクリックすることでON/OFFの切り替えが可能です。
TRAKTOR PRO 2ではKey Lockが有効の場合、デッキにある音符アイコンが点灯します。
TRAKTOR PRO 3では表示が異なり、Key Lockが有効になっていると、Keyウィジェットに結果キーと上下矢印ボタンが表示され、半音単位でキーを変更できます。
オーディオ素材にもよりますが、これがオーディオ再生に異音を生じさせる事があります。Key Lockが有効になっていると一般的には、テンポ(テンポフェーダーがゼロの位置ではない)や音程(KEYノブがゼロの位置ではない)の変化が大きい程、より多くの聴覚可能な異音が生じます。ゼロの位置であるにも関わらずオーディオ再生に異音が生じる場合は、以下の点をご確認ください。
- Key Lockを積極的に使用しない場合は、KEYノブの隣にある円をクリックして無効にしてください。
- Key Lockを積極的に使用される場合は、Preferences > Transport > Key Lockで、システムの処理能力と使用方法に適した設定になっているかご確認ください。
- TRAKTOR SCRATCH PRO 2ユーザーの場合、Key Lock設定でQualityをECO、ModeをScratchに設定されることをお勧めします。
- タイムコードを使用されない場合はNormal Modeをお選びください。HiQ設定は高速で最適化されたシステムでのみご使用いただくものです。
- 改良されたタイムストレッチテクノロジーを備えたTRAKTOR PRO 3では、ScratchモードとNormalモードのどちらかを選択できます。
注意:Key Lockを使用する場合、高めのレイテンシー設定が必要になる場合があります。Key Lockを使用する際にノイズや音飛びが発生する場合は、Preferences > Audio Setupでレイテンシーの値を増加させてください。
エフェクト設定
TRAKTORソフトウェアは多種多様なオーディオエフェクトを備えており、TRAKTOR画面の上部にあるFXユニットを介して利用可能です。
一部のエフェクトが元のオーディオ再生に劇的な変化(Beatmasher、Wormholeなど)を与える一方、他のエフェクトでは若干の変化だけ(Dry/Wetの量が少ないReverbなど)を与えるものもあります。意図しない時に音質がオーディオエフェクトによって影響されないために、再生中デッキのFXアサインボタンが無効(強調表示でない状態)である事をご確認ください。これらの数字でラベルされたFXユニットのボタンは、TRAKTOR画面のソフトウェアミキサーセクションに割り当てられ、配置されています。
TRAKTOR PRO 3はさらに4つのミキサーFXを提供し、デフォルトでFilterが割り当てられているノブ下のドロップダウンからアクセスできます。