この記事では、TRAKTOR PRO 3のインストールと実行中に作成されるデータ(ファイルとフォルダ)の概要を解説します。
注意:この記事で提供される情報は、TRAKTOR PRO 2にも適用されます。
以下のセクションをクリックして展開し、TRAKTORのインストーラーによって作成されるファイルの詳細をご確認ください。
TRAKTOR PRO 3の初回インストールと起動
TRAKTORは、デフォルトでこれらのファイルとフォルダをシステムにインストールします:
TRAKTORアプリケーションフォルダ
TRAKTORのアプリケーションフォルダのデフォルトパスは以下となります:
- macOS: Macintosh HD > アプリケーション > Native Instruments > Traktor Pro 3
- Windows: C: > Program Files > Native Instruments > Traktor Pro 3
TRAKTORのインストール後、アプリケーションフォルダには、以下のコンポーネントが含まれます:
- Traktor(アイコン):このアプリケーションファイルは、メインのTRAKTORソフトウェアです。メインのTRAKTORアプリケーションには、特定のバージョン番号が付いています。 アプリアイコンを右クリックし、コンテキストメニューから情報を見る(macOS)またはプロパティ > 詳細(Windows)を開くとバージョン番号を確認できます。この例では、バージョン3.5.1を使用しています。
- Documentation (フォルダ):このフォルダには、TRAKTORのソフトおよびハードウェア製品だけでなく、TRAKTOR Readyコントローラーの使用に関する複数の書類が含まれています:
- Controller Mappings (フォルダ): TRAKTOR Readyコントローラ用のマッピング機能に関する概要が含まれます。
- License Agreement (フォルダ):Native Instrumentsユーザーライセンスならびにサードパーティコンテンツとライセンス使用に関する法的情報が含まれます。
- Traktor *デバイス名* (フォルダ):デバイス/コントローラのユーザーマニュアルが含まれます。
- Traktor 3 Manual (ファイル): TRAKTOR 3ユーザーマニュアルのHTMLリンク。
- Traktor 3 Getting Started (ファイル):TRAKTORソフトウェアの基本的な概念を学ぶためのスタートアップガイドへのHTMLリンク。
- Readme (ファイル):各TRAKTORの各バージョンにおける変更点、新機能、ソフトウェア修正点の更新履歴。
- Backup (フォルダ):Native AccessからTRAKTORのアップデートをインストールすると、以前にインストールしたバージョンのTRAKTORのバックアップコピーがこのフォルダに格納されます。存在します。
- Drivers / Resources(フォルダ) / .exe / .dllファイル:これらのファイルとフォルダは、Windowsシステムにのみ表示されます。これらは、TRAKTORアプリケーションが機能するために必要です。
TRAKTORルートディレクトリ
TRAKTORルートディレクトリ(別名TRAKTORデータベース)は、TRAKTORユーザーデータが保存される場所です。このデータには、Track Collection(タグ、プレイリストなど)とTraktor Settingsファイル(レイアウトや各設定)やその他の書類が含まれます。
重要事項:TRAKTORルートディレクトリには、復元不可能な個人のユーザーデータが含まれます。そのため、特に理由がない限り、このフォルダを削除したり、内容を変更しないようご注意ください。ルートディレクトリは定期的にバックアップをとっておくことを強くおすすめいたします。
ルートディレクトリのデフォルトパスは以下となります:
- macOS: Macintosh HD > ユーザ > *ユーザ名* > 書類 > Native Instruments > Traktor *バージョン番号*
- Windows: C: > ユーザー > *ユーザー名* > ドキュメント > Native Instruments > Traktor *バージョン番号*
ルートディレクトリは、TRAKTORをインストール後、初回起動時に作成されます。フォルダ名の番号は、アプリケーションフォルダにあるメインのTRAKTORアプリケーションのバージョン番号に対応します。この例ではTraktor 3.5.1フォルダです:
macOS
Windows
上図に示すように、TRAKTORルートディレクトリには重要なTRAKTORデータファイルとサブフォルダが含まれています。最も重要な項目のリストは以下となります:
- collection.nml (ファイル):このファイルは、TRAKTORソフトウェアを初めて起動したときに作成されます。これは現在のTrack Collectionを含む、ルートディレクトリの最も重要なファイルです。TRAKTORはソフトウェアが起動されるたびにこのファイルをロードします。コレクション/プレイリストで変更を行うと、TRAKTORソフトウェアを閉じるときにファイルが更新されます。 このファイルには、トラック、そのタグ、およびプレイリストに関するすべての情報が含まれています。
- Traktor Settings.tsi (ファイル): TRAKTORはソフトウェアが起動されるたびにこのファイルをロードします。このファイルにはTRAKTORのレイアウトと、TRAKTOR設定メニューのすべてのユーザー設定が保存されます。PreferencesやTRAKTORユーザーインターフェイスのレイアウトを変更すると、ソフトウェアを閉じるときにファイルが更新されます。このファイルはTRAKTORの初回起動時、セットアップウィザードを実行した際に作成されます。
- Coverart (フォルダ): 楽曲ファイル(または楽曲ファイルが含まれているフォルダ)にカバーアート情報が含まれている場合、TRAKTORはインポート時にこの情報を抽出してフォルダに配置し、TRAKTORブラウザにカバーアートを表示します。
- History (フォルダ):これには、すべてのヒストリープレイリストが含まれます。ヒストリープレイリストには、特定のTRAKTORセッションで再生されたトラックに関する情報が含まれています。各プレイリストは、デッキで複数のトラックが再生された場合に生成され、TRAKTORを閉じると自動的に保存されます。ヒストリープレイリストファイルは、TRAKTORブラウザのExplorer > Archiveノードから利用できます。
- Logs (フォルダ):これには、TRAKTORでの特定の操作の記録を保持するTraktor.logファイルが含まれます。このファイルは、特定の問題のトラブルシューティングを行うときに役立ちます。
- Settings (フォルダ):これには、TRAKTOR Readyコントローラ用のマッピング、オーディオ設定、キーボード、GUIレイアウトなど、いくつかのTRAKTOR設定(.tsi)ファイルが含まれています。 これらのファイルは、TRAKTORセットアップウィザードで特定のオプションを選択すると、TRAKTORの設定に自動的に追加されます。詳細については、こちらの動画をご参照ください。
- Stripes (フォルダ):このフォルダの内容は、楽曲ファイルのアナライズ中に生成されます。Stripesは、アナライズされてデッキにロードされたトラックの下部に表示されます。
- Transients (フォルダ):このフォルダの内容は、楽曲ファイルのアナライズ中に生成されます。 Transientファイルには、トラックのビートグリッドと同期に不可欠なビート情報が含まれています。
- Backup (フォルダ):このフォルダは、Track CollectionまたはTRAKTOR設定/レイアウトのいずれかを変更した場合にのみ作成されます。コレクションと設定のバックアップを格納するCollectionとSettingsという名前のサブフォルダが含まれる場合があります。コレクションや設定の状態を復元する方法の詳細な手順は、本ページ下部にある関連記事セクションにある記事をご参照ください。
TRAKTORミュージックフォルダ
インストールの際、TRAKTORは専用機能を使用して作成された特定のオーディオコンテンツ(内部録音やサンプルなど)を保存するためのフォルダを作成します。このフォルダのデフォルトパスは以下となります:
- macOS: Macintosh HD > ユーザ > *ユーザ名* > ミュージック > Traktor
- Windows: C: > ユーザー > *ユーザー名* > ミュージック > Traktor
macOS
Windows
注意:TraktorフォルダにはRemix Deck、Audio Recorder、Loop Recorderにて作成されたオーディオコンテンツが保存されます。これらの機能はTRAKTOR LE バージョンでは利用できません。
上図に示すように、Traktorフォルダには以下のサブフォルダが含まれています:
- ContentImport: このフォルダにはRemix Deckのコンテンツが保存されます。TRAKTORでRemix Set (.trak file)をインポートするか新規作成する度、Remix Setと関連するすべてのサンプルを含むフォルダがここに作成されます。既存のRemix Setにサンプルを追加/変更すると、それに応じてサブフォルダの内容も更新されます。
- Recordings: このフォルダには、TRAKTORのAudio Recorderで録音されたすべてのデータが保存されます。これらのファイルには、TRAKTORブラウザのAudio Recordingsフォルダからもアクセスできます。
- Samples: このフォルダには、サンプルとして自動作成されTRAKTORに保存されたすべてのオーディオファイル(Loop Recorder / Track DeckからRemix Deckスロットまたは隣接するトラックデッキにコピーされたオーディオ素材)が保持されます。
注意:TRAKTORでは、楽曲ファイルを手動または自動でインポートするための(デフォルトのミュージックフォルダに加えて)カスタムミュージックフォルダを設定できます。カスタムミュージックフォルダは、TRAKTORのPreferences > File Management > Music Foldersで設定または変更できます。 ミュージックフォルダの管理の詳細については、TRAKTORマニュアルをご参照ください。
TRAKTOR PRO 3のアップデートをインストールした後
TRAKTOR PRO 3のアップデートをインストールすると、TRAKTORアプリケーションフォルダとルートディレクトリの両方に以下の重要な追加が行われます:
TRAKTORアプリケーションフォルダ
TRAKTORのアップデートをインストールする際、以前にインストールした旧バージョンのTRAKTORのバックアップコピーが作成されます。バックアップフォルダは、以下のTRAKTORアプリケーションフォルダにあります:
- macOS: Macintosh HD > アプリケーション > Native Instruments > Traktor Pro 3
- Windows: C: > Program Files > Native Instruments > Traktor Pro 3
下図の例ではTRAKTOR 3.5.1アップデートをインストールしており、これがメインのTraktorアプリケーションになっています。以前のバージョンはすべて、Backupフォルダから個別に起動できます。 これは、サイドバイサイドインストールとして知られています。
macOS
Windows
TRAKTORルートディレクトリ
TRAKTORソフトウェアの各バックアップバージョンには、独自のルートディレクトリが必要であるため、TRAKTORはアップデート後の初回起動時に新しいルートディレクトリを作成します。この時、特に理由がない限り、TRAKTORからコレクションと設定を以前のバージョンからインポートするように求められたらYesを選択してください。同様に、2番目のダイアログボックスでもYesを選択し、メインドライブのデフォルトパスにインポートしてください。
これにより、TRAKTORは以前のルートディレクトリの内容を新しいルートディレクトリにコピーします。コレクションのサイズによっては、この処理に時間がかかる場合があります。
コピー処理の最後に、新しいルートディレクトリが書類(ドキュメント) > Native Instrumentsフォルダに作成されます。この例では、Traktor 3.5.1というフォルダが新しく作成されています。このフォルダは、コレクションを管理するため、現在メインのTRAKTORアプリケーションによって使用されます。なお、このフォルダはTRAKTORのバージョン毎に作成されます。
TRAKTORデータを保持し、定期的にアップデートされることを強くお勧めします。本ページ下部にある関連記事セクションでは、TRAKTORのインストールをバックアップおよび保持するために役立つアドバイスをご確認いただけます。見つけることができます。