この記事では、コンピュータとNIハードウェアデバイスを接続するために適したUSBケーブルを選定する方法をご案内します。使用に適さないUSBケーブルを使用した場合、下記のような問題が発生することがあります:
- USB接続が切断されてしまう
- LEDやディスプレイ表示が不安定
- オーディオにノイズが発生する
USBバスパワーで動作するため別途電源を必要としないデバイス(例:KOMPLETE AUDIO 6、MASCHINE MK2など)の場合、USBケーブルの長さは2m以内のものをお使いいただくことをおすすめします。専用電源を必要とするデバイス(例:KOMPLETE KONTROLキーボード、MASCHINE STUDIOなど)の場合は、より長いUSBケーブルでもお使いいただくことができます。
また、ある特定のUSBケーブルにおいて、内部のワイヤ径が細すぎるためにNIハードウェアデバイスとの使用に適さないものがあります。このようなケーブルを使用すると、ケーブルに流れる電力量が増大し、USBバスパワーの消費電力許容量を超過する原因となります。以下に、NIハードウェアデバイスとの使用に適したUSBケーブルを選定する方法をご案内します。
使用に適したUSBケーブルを識別する
ほとんどのUSBケーブルには、AWG(米国ワイヤゲージ規格)標準に基づいた識別コードが2つ印字されています。
- /2C(またはX2C)で終わる識別コードはUSBケーブル内部の電力線の仕様を表します。(検証にパスしたものです)
- /1P(またはX1P)で終わる識別コードはUSBケーブル内部のデータ線の仕様を表します。
AWGに続く数字は、内部のワイヤ径を表します。
- AWG 24: 0,511 mm
- AWG 28: 0,321 mm
検証の結果では、24から始まり/2C(またはX2C)で終わる識別コードのUSBケーブル(例: 24/2C, 24AWGX2C, AWG 24X2C)は問題なく使用できることを確認しております。上記に述べたように、これは電力線のワイヤ径が0,511 mm であることから、ケーブルの電力ロスを少なく抑えることができることを意味します。 NIハードウェア製品に付属するケーブルにはAWGコードが印字されていないものがございますが、NI製品の性能を最高に引き出すためAWG 24規格を十分満たすワイヤ径のケーブルを付属品としてご提供しております。このようなケーブルにはNIロゴの刻印があることをご確認ください。 28から始まり/2C(またはX2C)で終わる識別コードのUSBケーブル(例: 28/2C, 28AWGX2C, AWG 28X2C)は、NIハードウェアデバイスとの使用に適していないため、交換する必要があります。
注意: USBケーブルに2Cで終わる識別コードが印字されていない場合は、NIハードウェアでバイスとの使用に適しているかどうか判別できません。このような場合は、24から始まり2Cで終わる識別コードが印字されている、使用に問題がないUSBケーブルへの交換をおすすめします。
例
下図では、/2C(またはX2C)で終わる識別コードが印字されている2つの例をご紹介します。なお、/1P(またはX1P)で終わる識別コードは今回の問題には関係しません。/2C(またはX2C)で終わる識別コードの最初の2文字に注目し、ご確認ください。
- 下図では24/2Cという識別コードが印字されています。このUSBケーブルはNIハードウェアデバイスとの使用に適しています:
- 下図では28AWGX2Cという識別コードが印字されています。このUSBケーブルはNIハードウェアデバイスとの使用に適していません: