この記事では、Kontaktのラックにロードされた各音源からのオーディオをCubaseのミキサの各チャンネルにパラアウトする方法を解説します。この設定によって、各チャンネルをCubaseの個別のトラックとしてミックス処理をおこなうことができます。 この設定を行うには以下の手順を実施してください:
- CubaseにKontaktをロードする
- KontaktのOutputセクションを設定する
- CubaseでKontakt用のインストゥルメントアウトプットチャンネルを作成する
- Kontaktで音源ごとに別々のアウトプットを割り当てる
注意:以下の手順は、Kontaktの最近のすべてのバージョンに適用されます。Kontakt 6をご使用の場合は、プラグインとして「Kontakt」を選択し、同じ設定を行ってください。
CubaseにKontaktをロードする
- CubaseのスタジオメニューからVSTインストゥルメント(Cubase 9.5以前のバージョンではデバイス > VSTインストゥルメント)をクリックし、VSTインストゥルメントラックを開きます。
- VSTインストゥルメントウインドウで、Rackをクリックし、使用したいオーディオチャンネル数に応じてKontakt 5、またはKontakt 5 16out、またはKontakt 5 8outを選択してください。
注意:Kontakt 5では合計64の出力チャンネル、Kontakt 5 16outは合計16の出力チャンネル、Kontakt 5 8outは合計8の出力チャンネルが使用可能です。
- Kontaktをプラグインとしてロードする際「プラグイン”Kontakt 5”を割り当てたMIDIトラックを作成しますか?」と表示されます。MIDIトラックを作成しない場合はキャンセルを、作成する場合は作成をクリックします。
KontaktのOutputセクションを設定する
重要事項:Kontakt 5、Kontakt 5 16out、Kontakt 5 8outは、Cubaseからは別々のプラグインと見なされます。Outputセクションの設定はこれらのKontakt 5 VSTプラグインのそれぞれに対して、個別に設定する必要があります。
- CubaseでKontaktプラグイン画面が開いたら、KontaktのWorkspaceメニューのOutputsにチェックを入れ、Outputセクションを表示します。
- Kontaktウインドウ下部にOutputセクションが表示されます。「+」ボタンをクリックし、Outputsオプションダイアログを表示します。
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Quantityフィールドでは数をクリックしたままマウスを上下にドラッグし、追加したい新規マスターチャンネルの数を選択します。Number of channelsは新たに作成するチャンネルがモノラルの場合は1、ステレオの場合は2に設定してください。この例では、ステレオアウトプットチャンネルを合計8つにするため、Quantityを7に、Number of channelsを2に設定します。
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Soundcard / Host outputドロップダウンメニューで、最初の未使用のoutputを選択します。今回初めてCubaseでパラアウトを設定する場合は、最初の未使用のoutputがKt. aux 1 [1]という名称になっています。(Kt. st. 1 [1]と[2]は既に存在するデフォルトのステレオアウトプットとして使用されています)
- 選択後、次の利用可能なアウトプットへ自動的に割り当てるために、Ascending output assignmentにチェックを入れます。
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Make this your default configurationにチェックが入っていることをご確認ください。
重要事項:ここでの操作はKontaktのOutputセクションで設定した名前をCubaseの出力名としてこの後正しく表示させるために重要なステップとなります。Cubaseはプラグインを起動した時、そのプラグインのデフォルト設定のアウトプットチャンネル名をミキサーに反映します。
- 設定を保存するため、OKをクリックし、Outputsウインドウを閉じます。
- ここまでの設定が正しく行われていれば、Output Configuration was saved as defaultというメッセージが表示されますので、OKをクリックします。
これでKontaktのOutputセクションには8つのマスターチャンネルアウトプットが表示され、それぞれがCubaseの異なるステレオアウトプットにルーティングされます。
CubaseでKontakt用のインストゥルメントアウトプットチャンネルを作成する
- 初めて新しいOutput設定でKontaktを使用する場合は、CubaseのVSTインストゥルメントラックからKontaktを一旦外し、再度ロードします。これを行うには、VSTインストゥルメントラックの名前をクリックし、コンテキストメニューでNo VST Instrumentを選択します。既にこのOutput設定でKontaktを使用している場合は、この手順をスキップできます。
注意:この操作は必ず実施してください。Cubaseはプラグインをロードする時にKontaktのデフォルトアウトプット設定を読み込みますので、この操作をスキップすると、アウトプットチャンネル名が正しく表示されません。
- ドロップダウンメニューを開いて使用可能なアウトプットを選択するために、出力を有効ボタンをクリックします。
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出力を有効ドロップダウンメニューで、有効化したいステレオアウトプットを選択します。この例では、8つのステレオアウトプットを全て有効にしたいので、Kt. st.2 [Stereo]からKt. st.8[Stereo]までのアウトプットを有効にします。
- Cubase上ではKontaktのフォルダートラックに、Kt. st.1に続けて有効にした出力が表示されます。
Kontaktで音源ごとに別々のアウトプットを割り当てる
最後に、Kontaktにロードした音源ごとに別々のアウトプットを割り当てます。ラックにインストゥルメントをロードすると、デフォルトでは最初のステレオアウトプットSt.1に自動的に割り当てられます。音源ごとにアウトプットを変更するには、ヘッダーにあるOutputセクションをクリックし、アウトプットを変更してください。この例では、Retro Maschinesをst.2 [2 ch. routed 3|4]という名前の2つ目のステレオアウトプットにに割り当てています。ラックにロードしたすべての音源に対してこの設定を繰り返し、それぞれのステレオアウトプットを選択してください。