TRAKTORは、自動またはマニュアル操作によって各トラックの正確なテンポと拍子を解析し設定することが出来ます。シンク機能、クォンタイズされたビートジャンプ、スナップされたホットキューやループを正確に動作させる為には、この設定が必要です。
トラックの自動解析
TRAKTORのAnalyze機能は、自動的に各トラックのビートグリッドをアナライズ(解析)し設定します。トラックがすでに解析されたかどうかは、そのトラックをデッキにロードして、ストライプ(白い細い線)が表示されるかどうかで確認出来ます。TRAKTORはトラックの解析中にストライプを作成し、各トラックデッキの下部にあるトラック全域の波形画像に表示します。
TRAKTORのPreferences画面のFile Management内にあるAnalyze new tracks when loading into Deckが設定されていると、TRAKTORは新しいトラックがロードされる度に自動でアナライズします。 あるいは、TRAKTORのブラウザーからマニュアル操作でアナライズを行うことも可能です:
- トラックコレクションまたはプレイリストからアナライズのためにトラックを一つまたは複数選択して下さい。
- 右クリックまたは、ctrlキーを押しながらクリックし、コンテキストメニューを開けて、Analyze (Async)を選択し、アナライズを開始して下さい。
- Analyze
- All(推奨)を選択すると、TRAKTORはデフォルト値である78-155 BPM、Set Beatgridを適用してトラックをアナライズします。ご覧のように、Allではデフォルト値である78-155 BPMの範囲でトラックをアナライズし、これはほとんどのケースで、正しいテンポをレンダリングします。ビートグリッドも同様にデフォルトで設定され、トラックの先頭にホットキューとしてタグを付けられるグリッドマーカーを自動的にセットします。
- Specialを選択すると、KeyやGain値をアナライズ対象に含めるか除外するかを指定することができます。
- 追加オプションであるParallel Processingは、TRAKTORがアクティブに動作していない時(デッキが再生されていない時、ソフトウェアで何も動作が実行されていない時)にのみ有効にする必要があります。これは、高速で(複数)トラックをアナライズするオプションであり、CPUに多くの負荷がかかるためです。
ダイヤログボックスが表示されます。オプション項目については、下記の説明をご覧ください。 - OKをクリックしてアナライズを開始します。アナライズが完了すると、TRAKTORはAnalyzeダイヤログボックスで指定したオプションに従って自動的にトラックを解析します。
ビートグリッドのマニュアル設定
ごくまれに、ビートグリッドを構成する白い縦線のストリップで表示されるグリッドマーカーが正確にトラックのDownbeat(1拍目の開始部分)に位置していない場合があります。言い換えると、グリッドマーカーと実際のビートの開始部分に視覚的なズレがある状態です:
また、トラックの再生中、片方のトラックでSync機能を使用しても、2曲間で音声のズレが発生する場合があります。これらの状態では、TRAKTORがトラックを正確に解析していないと考えられます。その場合、以下のように、ビートグリッドをマニュアルで設定する必要があります。
注意:ビートグリッドとその操作方法に関しては、TRAKTOR 2マニュアル内のビートグリッドパネル(GRID)をご参照下さい。
- デッキ Aにアナライズ済みのトラックをロードして下さい。
- デッキ上部の波形表示で、1拍目の開始部分位置を再生位置(赤い縦線)まで移動させて下さい。Zoom + ボタンを使用し表示を拡大すると、より正確に位置を設定が出来ます。
- もしアナライズ時にビートグリッドを設定されていないのであれば、グリッドマーカーをビートの最初の位置に設置する必要があります。グリッドマーカーを作成するには、デッキの下部にあるAdvanced Panelを表示させて下さい。TRAKTORのPreferences > Decks Layoutへと辿りDeck SizeをAdvancedにセットするとAdvanced Panel部分が表示されます。
- その後、各デッキのAdvanced Panelを表示させ、GRIDタブをクリックし、ビートグリッドパネルを表示させて下さい。
- グリッドマーカーをビートの開始位置に設置するためには、オートグリッド(AUTOボタン)かグリッドマーカーのアイコンをクリックして下さい。もしグリッドマーカーが既に設置されていて、且つ最初のビートにズレがあるのであれば、ごみ箱のアイコンをクリックしグリッドマーカーを削除します。それから、Downbeat(1拍目の頭の部分)の最適な位置に新しいグリッドマーカーを設置して下さい。
注意:Traktorの解析するテンポが正しくなかった場合、(例えば140BPMの代わりに70BPMというように)オリジナルのテンポの半分か2倍のテンポ表示となる場合があります。素早く正しいテンポを設定するには、(テンポを二倍にする場合)x2ボタン、あるいは(テンポを半分にする場合)/2ボタンをクリックして下さい。また解析の際、ビートグリッドがキック・ドラムの1拍目の代わりにスネアドラムに設置されてしまう場合もあります。位置がずれたビートグリッドを調整するには、前述の方法で一旦グリッドマーカーを削除して、新しいグリッドマーカーを正しい位置に設置して下さい。
- 一旦グリッドマーカーが設置されれば、それはホットキュー(大抵の場合、1番)にも設定されます。それ以降の全てのビートグリッドは、BPMによって決められた間隔で並べられます。トラックを前方へスクロールして、すべてのグリッドマーカーが波形上で正確に1拍目の開始位置になっているか確認して下さい。もし正確な位置に設置されていない場合は、テンポ(つまりグリッドマーカーの距離)を増減することによって調整します。||||||< や | | | |>ボタンを使用するか、ビートグリッドパネルのBPM表示をクリックしながら上下にドラッグするとテンポ変更が可能です。BPM増減ボタン(||||||< や | | | |>)の上に位置しているボタンをクリックすることにより、ビートグリッド全体を左右に移動させることが可能です。
- 下図の例のように、トラック全域でビートグリッドが各拍の開始位置に設定されるように、細かく調整を行って下さい。
注意:生演奏による音楽は、通常正確なビートを刻んでいません。その為、これらの曲では100%正確なビートグリッドを設定するのは不可能と思われます。この場合、2番目のビートグリッドを設定してずれを修正したり、トラック内で正確なビートグリッドが設定されている箇所でDJミックスをしてみて下さい。