Ableton Linkを使用することで、ご使用のTRAKTORセットアップを、他のDJやミュージシャンとローカルネットワーク接続(LANあるいはWi-Fi)経由で同期することが可能です。
Ableton Linkを介してアプリケーションを接続すると、TRAKTORユーザーは、異なるシステムまたは同じコンピュータで実行されている複数のアプリケーションを共通のタイムラインに同期し、リンクされている任意のアプリケーションからグローバルにテンポを変更できます。
Ableton Linkはこれらのアプリケーションに統合されているため、追加のインストールは必要ありません。
この記事では、TRAKTORでのAbleton Linkの使用について解説します。この記事は以下の章に分かれています:
ネットワークへの接続
Ableton Linkに対応しているアプリケーションは、Ableton Linkセッションに自動的に参加することができます。このためには、TRAKTORが起動しているコンピュータがWi-FiもしくはLAN経由でローカルネットワークに接続されていることをご確認ください。可能な限り、専用ネットワークスイッチを使用し、ローカルネットワーク(ルーター)を経由しイーサネット(LAN)ケーブルを使用することをお勧めします。Macの場合は2つのコンピューター(ピア)をThunderboltケーブルで直接接続することをお勧めします。
TRAKTORでAbleton Linkに参加/辞退する
- TRAKTORを起動します。
- TRAKTORのグローバルセクションにあるLINKボタンを押します。
注意:グローバルセクションが表示されていない場合は、下図に示すように、TRAKTORのPreferences > Global Settingsで有効化できます。
TRAKTORは、既存のAbleton Linkセッションに参加するか、新しいセッションを開始します。
Ableton Linkネットワークを離れるには、もう一度LINKをクリックしてオフにします。
LinkタイムラインにTRAKTORを同期する
Ableton Linkに対応するほとんどのアプリケーションは、Linkが有効となっている限り自動的に同期する固有のタイムラインを持っています。TRAKTORにおいてはLinkを有効にした場合、Global Clockが共通のLinkタイムラインに同期し、各デッキを同期させます。
TRAKTOR内から、Global Clockコントロールを介してセッションのテンポを変更できます。
デッキをどのような方法で共通のタイムラインに同期させるかについては、Preferences > Transport > Sync Modeで設定可能です。
BeatSyncモード
BeatSyncモードは常に共通のLinkタイムラインに確実に同期するため、可能な限りTempoSyncモードではなくBeatSyncモードをご使用ください。
TempoSyncモード
SYNCボタン経由での自動テンポ同期とは対照的に、手動でのテンポ調整を行う場合は、SyncモードをTempoSyncに設定してください。TempoSyncにおいては、テンポ/位相に変動が生じる場合があります。これを即座に修正するには、現在再生中のデッキのSYNCボタンを二度押してください。
さらに、テンポ/位相の変化を最小に維持するための、以下のアドバイスをご参照ください:
- バッファアンダーランを回避するため、TRAKTORのPreferences > Audio Setupでご使用オーディオドライバのBuffer Size(レイテンシー)を上げてください。例えばバッファを256 samplesに設定している場合、512に設定してみてください。
- 極端に大きく急激なテンポの変更は避けてください。
- 無線LANではなく、有線LANケーブルをご使用されることを強くお勧めします。
ダウンビートを合わせる
TRAKTORはダウンビートや最初の小節(ビート4の1)に自動で同期することができないため、これを手動で行う必要があります。LINKボタン下部にある青いフェーズメーターにご注目ください。この進捗バーは、Linkタイムラインの現在の位相を示しています。ビートに追いつくためには、曲のダウンビートをこのフェーズメーターのゼロポイント(バーが空の状態)に一致させる必要があります。
位相をリセットする
時折発生するテンポオフセットや、停止した後に再生を再開するときなど、Ableton Linkへの同期がネットワーク内の他のすべてのピアとの間での位相にずれが生じる場合があります。即座に位相をリセットするために、TRAKTORのReset Downbeat機能をマッピングコマンドとして加えるという方法もあります。このコマンドはTRAKTORのController Manager内のAdd In... > Master Clock > Ableton Link > Reset Downbeatでご利用いただけます。また、このコマンドはコンピュータのキーボードショートカット「Ctrl + Alt + Space」として割り当てられています。
注意:Downbeatのリセットは、Ableton Linkのタイムラインで、一拍もしくは二拍のビートスキップを生じさせる場合があります。
補足事項